内藤です
商品、サービスを提供するときに、自分がその分野において、最高の専門家である必要がであるでしょうか?
世界最高峰になれるならその方がいいですが、なかなかなれるものではないですよね。
自分のステージが上がると、自分よもさらに上がいるって思い知らされます。
だから、自分が100点である必要ありません。
「自分はそんなに凄くないし、提供できる立場にない」とか、「自分が提供して良いのか?」とかって思う方は多いです。
確かに100点を目指して成長し続けることは大切ですが、何も最高の専門家でなければいけない訳ではありません。
それに仮に100点になったとしても、100点って時代によって変わってしまいます。
大切なのは、「誰に対して提供するのか? 」ってこと。
お客さんが求めているのは、100点になることではない
例えば、ある分野で仮に20点とか、30点とかしか知識や技術がないお客さんに対して、自分が90点じゃなくても良いわけです。
お客さんが求めているのは、90点になることではなく、40点になることだったら。
40点になる方を教えるために、わかりやすく説明できるのであれば自分は60点でも良いわけです。
むしろ90点の人は説明も難しくて、20点の人にとってみればかえって分かりにくかったりします。
逆にレベルの高い専門家なのに不満に思ってしまいます。
よく情報弱者から金をむしり取るのはけしからん! と言われますが、ただ単に20点の人を相手にすることが情報弱者から金をむしり取るということではありません。
20点の人たちをわかりやすい説明で、40点に導いてあげることはニーズに応えていると言えます。
20点の人たちに対して、「90点のことが簡単にできますよ(稼げますよ)」とか、「1日30分で90点になれます」というと怪しいものになってしまいます。
幼稚園児には、幼稚園の先生が求められていますし、小学生には小学生の先生が求められています。
ですから、自分は誰に対して役に立てるのかを明確にしておけば、「自分は凄くないのにいいのだろうか…」なんて思う必要はありません。
繰り返しますが、上を目指して成長することは大事です。
それはやめてはいけません。
できなかった時があるからこそ、できない人の役に立てる
僕がスキーのインストラクターだったころ。(コブ斜面専門のスクールです)
僕らのスクールのインストラクターには、モーグルのワールドカップに出場したことのある選手も、ナショナルチームに入ったことのある選手もいませんでした。(代表は元全日本のヘッドコーチでしたが)
それでもスクールのレッスンは高評価で、お客さんが増え続けました。
それは、モーグルの競技選手ではなく、これからコブ斜面を始めようとする人や、基礎スキーヤーを相手にしたからです。
当然お客さんからは「ワールドカップに出場したことないのに偉そうに」とか、「ナショナルチームでもないのにレッスンして」なんて、言われたことありません。
逆に、「こんなレベルの私にもわかりやすい説明で満足です!」と何度も言われました。
ワールドカップ選手や、ナショナルチームに入るような選手は、感覚的にできてしまう部分があるので、説明も感覚的です。
「ギュッてやってください」みたいに(笑)
あと、「お客さんが何で出来ないかが分からない」という人もいます。
僕らは、「できなかった頃」があって乗り越えてきたからこそ、なぜできないのか、できないときの気持ちもわかりました。
名選手が名監督とは限らないと言われるのも分かりますよね
SMAPは、歌唱力もダンスも日本最高ではなかったが…
2016年で解散してしまったSMAP。
何年か前の中国公演の際の密着映像を見たことがあります
そこで彼らは
「ダンスや歌で、僕らより凄い人たちは沢山いるのはわかってる。僕らは喜んでくれる人たちに向けて精一杯やるだけ。」
みたいなことを言ってました。
確かにSMAPは、歌唱力もダンスも日本最高ではありません。
でも、日本で最も多くも人たちを喜ばせたグループに間違いありませんよね。
最後に
価値は、誰に向けるかによっても変わります。
例えば日本語で書かれた、「絶対に成功するノウハウ」があったとしても、それが日本語の読めない外国人にとっては、「絶対に成功するノウハウ」ではなくなってしまうから。
みんなに向けたり、「誰に向けて」というのを設定しないと、周りの目が気になりますし、価値が伝わらなくなります。
誰に対して役にたてるのか? に着目ですね。